ヨルダンの首都アンマンと古代遺跡ペトラを巡る / Jordan

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はじめに

イランの次の目的地はヨルダン。複雑な関係性にある中東諸国の中では比較的穏健で、中立的な位置にいる印象が強い国だ。国土のほとんどは砂漠地帯だが、世界一塩分濃度の高い湖の死海やインディージョーンズのロケ地として有名なペトラ遺跡など、豊富な観光資源を有している。僕もペトラ遺跡を一目見たくて訪れることを決めた。

ヨルダン入国

イラン・テヘランのホメイニ国際空港からのヨルダン・アンマンのクイーンアリア国際空港への移動は、ドバイでの3時間のトランジット含めて合計で8時間半。定刻通りに飛び立ち、ドバイへ。ひさびさにLCCから離れ、初めてエティハド航空を利用したのだが、機内の設備の充実ぶりに感激した。座席にモニターが付いていて、枕やブランケットもある。食事だけはいまいちだったけれど。


ドバイ空港では3時間のトランジット。管制塔は、半月型の形をしており、てっぺんに管制室がある独特なものだった。また、空港のデザインも、ドーム型のターミナル待合室など、一風変わった印象を受けた。フリーwi-fiもあり、快適に過ごすことができた。約3時間のフライトを経て、ほぼ定刻通りに、アンマンのクイーンアリア国際空港へ辿り着いた。 こちらは、規模はそこまで大きくはないが、新しくて綺麗な空港だった。

空港からは乗合バスとタクシーを乗り継いで1時間程度で、ヨルダンの首都アンマンの市街地に辿り着いた。

首都アンマン

アンマンの街には、そこまで観光場所が多くなく、旅行者にとっては周辺のペトラ遺跡や死海の拠点となる街としての位置づけが強い。街は幾つもの丘に跨って形成されており、坂がとても多い。中心の通りは、あまり清潔感が無くゴミゴミと混沌とした感じだが、丘を登ってみると綺麗でお洒落なカフェなどが立ち並ぶ通りが急に現れたりする。また、中心部にはシタデル(城跡)やローマ劇場などの古代遺跡も残されている。そんななかなかにカオスな街アンマンを歩いてみた。

シタデル


幾つもある街の丘の上の一つには、シタデル(城跡)がある。敷地内には古代の神殿や街の遺跡や博物館がある。またアンマンの街並みを一望出来るビュースポットでもある。


入場|2JOD

ローマ劇場


シタデルの丘の麓にあるのが円形ローマ劇場。広場に面して小型のシアターも残っている。


入場料|2JOD

レインボーストリート


シタデルを北東に臨む丘の上にあるのが、レインボーストリートと呼ばれる通り。丘の麓のゴミゴミした通りとは一変して清潔感のあるカフェや飲食店、土産物や高級住宅が目につく。落ち着いていてよい雰囲気。

パリスクエア周辺


レインボーストリートの北の丘の上のあるのがパリスクエアという名前のロータリー。そこから西方面に延びる二本の通りにも、お洒落なカフェや飲食店がたくさん並んでいる。レインボーストリートよりさらに多くのカフェが集まっていた印象。

宿と食事

日本人にはコーダホテルが有名だが、レビュー評価がよかったSydney Hotelという安宿に滞在した。立地もよく、オーナーも親切で、清潔さも問題なく、安く滞在するには申し分ない宿だった。

食事は、街の中心にあるHashemという人気レストランがおすすめ。ご当地グルメのファラフェルを安く味わうことができ、地元民にも人気の様子だった。

また、Habibah Sweetsというお店では、クナーファというご当地スイーツが味わうことができる。こちらも地元民に大人気で、行列が絶えない。また、男性客も多いので、男性でも気兼ねなく訪れることができる。

カフェも街中に多数あるが、以下のカフェが特によさげだと感じた。

  • Nara Cafe
  • Jara Cafe
  • Jafra Cafe
  • Rumi Cafe

アンマンは1~2日あれば観光には十分足りると感じた。 お気に入りのカフェを見つけて、シーシャを試しつつまったりとお茶を楽しむ時間が最高にリラックスできた。次にペトラ遺跡へ向かうことにした。

砂漠の古代遺跡 ペトラ

ペトラ遺跡といえば、インディージョーンズ 最後の聖戦のロケ地としての使われたことで有名になった砂漠の中にある遺跡。映画で使われたのは、エル・カズネと呼ばれる宝物殿。ちなみに世界遺産の中ではその入場料は世界一高いと言われている。それでも、岩山をくり抜いて築かれた巨大な神殿を一目見てみたくて、アンマンから足を伸ばすことにした。

アンマンから拠点の街ワディムーサへ


ワディムーサはペトラ遺跡観光の拠点となる街。アンマンから日帰りで行くには結構距離があるため、そこに宿を取り一泊することにした。

アンマン市内の南バスターミナルから乗り合いバスが出ているが、街の中心からは離れているため、タクシーで向かうことに。宿を出ると目の前にタクシーが止まり乗客が降りていった。そのドライバーから声を掛けられたので、交渉したところ3 JODで行ってくれるとのこと。割と妥当な金額だったので乗り込むことにした。かなり陽気なドライバーで楽しかった。


バスターミナルに着くと、タクシードライバーがワディムーサ行きの乗合バスを探してくれた。乗合バスは大型のバンといった感じで、乗客を満載し結構窮屈だった。途中1回の休憩と乗り換えを経て、3時間半ほどでワディムーサに到着した。

ワディムーサの街はこじんまりとしているが、アンマンの喧騒と比べると静かで落ち着く印象を受けた。また、街の高台から見る、夕暮れ時の薄暮とライトアップのコントラストがとても綺麗だった。

ペトラ遺跡について

ペトラのある地は、自然の要害であった。また西にガザ、北にダマスカス紅海にも近く、中東での人や物の行き交う要衝の地でもあった。ナバテア人Nabataeans)の首都、砂漠を移動していたキャラバン隊の中継基地であったと伝えられてきた。立地条件の良さのため、紀元前1世紀ごろから、古代ナバテア人の有力都市として栄えた。ルートヴィヒ・ブルクハルトにより発見、紹介されて以降、20世紀の頭から発掘調査が行われ始めた。2014年現在でも続いている。2000年の調査段階でも、未だ遺跡の1%程度しか完了していないと推定されている。2014年現在、85%が未発掘とされる。

wikipediaから抜粋


まずは目をつけておいたValentine Innへ向かい、宿を確保。荷物を置き、宿の無料送迎バンで街の外れにある遺跡のエントランスへ。入場料は50 JOD(約8,000円)と某夢の国のテーマパークへ入れるほど高額。インディージョーンズで有名になって以降、飛躍的に吊り上げられたよう。ちなみにヨルダン国籍の人はローカル料金で格安で入れる。

シーク


ゲートから1キロほど進むと、切り立った岩山が眼前に現れる。岩には切れ目があり、道はその奥へと続いている。この自然の亀裂により生じた峡谷はシークと呼ばれ、その幅は狭いところで3メートルほど。この先に何が現れるのかと探検心を掻き立てられる。

エル・カズネ


シークを1キロほど進むと、突如明るく開けた場所に出る。四方は崖に囲まれており、目の前の崖には巨大な神殿がある。インディージョーンズに出てくる、エル・カズネと呼ばれる宝物殿だ。写真などでは何度も目にしてきたが、実物はやはり迫力があった。ちなみに内部には入れない。

エル・ディネ


エル・カズネから続く道を更に進んでいくと、岩山を削って築かれた幾つもの神殿や墓が出てくる。そして平地に至り、列柱道路を突っ切ると再び岩山が現れ、その岩山の入り組んだ登坂道を登った先にあるのがエル・ディネだ。こちらもエル・カズネと同じ岩山をくり抜いて築かれた建築物。近くにある岩山の頂上からの景色が素晴らしい

ペトラバイナイト


月水木のみ、夜間にペトラへ入場し、エル・カズネを前にしての音楽とイルミネーションのショーを見ることができる。入場料は17 JOD。昼間のチケットで併用はできない。


20:00頃を過ぎた頃に入場し、ロウソクの薄明かりを頼りに、神殿を目指してシークを進んでいく。昼間とはまた違う趣きがある。

エル・カズネにたどり着くと、無数のロウソクが一面に並べられていて、観光客は地面に座り、笛の演奏による演出を聴きながら待機する。エル・カズネはロウソクあかりでうっすらと入口部分が見えるのみ。露光時間を長めにとって写真撮影すると、オレンジ色に浮かび上がって神殿の写真が撮れる。

音楽の演奏が終わると、今度はライトアップが始まり、エル・カズネがカラフルに照らさしだされる。これは正直キッチュな感じがしてあまりよくなかった。ナチュラルな光の方が絶対いいと思う。写真を撮るタイミングは、ライトアップの前がベスト

ペトラ遺跡は想像していた以上に広大で、しっかり見て回るには丸一日は確保しておくべきと感じた。入口から最奥部までは数キロあり、途中坂道もある。暑い日差しの中を長時間歩かねばならないので、水分補給の準備は抜かりなくしておく必要がある。

入場料は正直高すぎるが、一生に一度は見ておく価値はあると思う。シークの切れ目からエル・カズネが姿を現した瞬間や、最奥部の高台から広大な礫砂漠を見渡す光景を目の当たりにすれば、間違いなく感動すると思う。

ペトラバイナイトも個人的には絶対見ておくべきと感じた。