クスコから自力手配で行く天空の都市 マチュピチュ / Peru

海外旅行

南米の観光スポットで外せないのがマチュピチュ。険しい山中に築かれたその景観から、「天空の都市」とも称され、今では誰もが知る名の知れた観光地だ。

クスコから日帰りツアーも出ているようだが、自分は入場券・移動・宿等を個人手配して、1泊2日の旅程で訪ねてみた。

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マチュピチュとは

多くの言語で「Machu Picchu」と呼ばれるこの遺跡名は、「老いた峰(Old Peak)」を意味するケチュア語「machu pikchu」を地名化したものの転写である。山裾からは遺跡の存在は確認できないことから、しばしば「空中都市」「空中の楼閣」「インカの失われた都市」などと雅称される。

一方、遺跡の背後に見える尖った山はワイナ・ピチュ (若い峰)で、標高2720m。山頂には神官の住居跡とみられる遺跡があり、山腹にはマチュ・ピチュの太陽の神殿に対する月の神殿が存在する。この遺跡には3mずつ上がる段々畑が40段あり、3,000段の階段でつながっている。遺跡の面積は約13km2で、石の建物の総数は約200戸が数えられる。

熱帯山岳樹林帯の中央にあり、植物は多様性に富んでいる。行政上クスコ県に属しており、クスコの北西約70kmに位置する。

2015年の第39回世界遺産委員会終了時点でペルー国内に12件あるユネスコ世界遺産のうちでは、クスコとともに最初(1983年)に登録された。南緯13度で、10月から4月までの雨季と乾季に分かれる。未だに解明されていない多くの謎がある遺跡でもある。2007年7月、新・世界七不思議の1つに選ばれた。


現在では要塞ではなく、東西が断崖のマチュ・ピチュは太陽の動きを知るのに絶好の場所であったことや、インカ帝国では太陽を崇拝し、皇帝は太陽神の子として崇められ、暦を司っていたことから、インカ人が崇めていた太陽を観測するための建物群と推測されている。

wikipediaより抜粋

大都市として繁栄した場所というイメージが強かったが、天体観測用としての場所という説が最近では有力の様だ。

マチュピチュの入場券購入

マチュピチュの入場券は、入場ゲートでは販売されておらず、事前に手配しておく必要がある。

入手可能なルートとして、以下の3つが挙げられる。

①オンライン手配

↓のオンラインサイトで購入可能。使用できるクレジットカードに制約があるようなので、要確認。

https://www.machupicchu.gob.pe/inicio

②クスコのチケットオフィス 「Boletos a Machu Picchu Oficial」

③アグアスカリエンテスのチケットオフィス「CENTRO CULTURAL MACHUPICCHU」

クスコ – アグアスカリエンテス間の移動

バス手配


クスコからマチュピチュ観光の拠点となるアグアスカリエンテスという村までは、列車利用が最も短時間で移動可能な方法だが、往復で1万円ぐらいかかるようだったので、旅行会社のバスを利用することにした。

ただしこのバスはアグアスカリエンテスまでは行かずに10キロほど手前の列車駅がある水力発電所が停車場所となる。

アルマス広場周辺に旅行代理店が多数あり、大体どこの店でもチケットを購入可能だ。価格比較のため色々回ってみたが、どこも最安価は往復60ソルでそれ以上はなかなか下がらず、結局55ソルでOKしてくれた旅行代理店で申し込みをした。

バス + 徒歩 の移動の様子 


当日は、チケット申し込み時に告げられた時刻の朝7:20にアルマス広場の旅行代理店前に集まり、他の旅行客と待ち合わせて8:30ごろにクスコを出発、途中で一回20分ほどの小休止を挟み、6時間後の14:30に水力発電所の駅に到着した。

駅付近には商店が並んでおり、飲み物や軽食の購入が可能。また、駅の待合室には無料のトイレもあった。


水力発電所からアグアスカリエンテスまでは、ひたすら線路沿いを歩く。鉄橋も登場したりして、その風景は映画スタンドバイミーで出てくるシーンを彷彿させることから、スタンドバイミールートと言われることもあるようだ。

周囲は峡谷となっていて、線路に沿って川が流れ、木々が生い茂っている。視線をあげると、両脇に高々と岩山が聳えている。初めは気づかなかったのだが、実は途中で山のてっぺんにあるマチュピチュ遺跡が見られる。鉄橋あたりが一番分かりやすい。

また、線路は現役で使用されているため、列車がたまに通過する。速度は印象では20~30km/h程度でゆっくりとしたものだが、歩いていると結構スレスレな感じだったので、ある程度の注意は必要。

道自体は砂利が敷き詰められているのであまり歩きやすくはないが、ずっと平坦なのでそこまで負担はかからない印象。途中には数件の商店やレストランがあるので、栄養補給も心配ない。

一つ問題だったのは、ブヨの大群が襲ってきたこと。水力発電所でバスを降りた途端からたかってきて、口や鼻に入ってきたり、腕など肌が露出しているところを刺してきたり、かなり厄介だった。結局腕や足首など10箇所近く刺され、パンパンに腫れてかゆみも二、三日続いた。

一人だったので、ノンストップで早足で歩き、約2時間でアグアスカリエンテスに到着。

アグアスカリエンテス滞在


17時過ぎに到着し、まずは宿探し。ネットで探して目星をつけていた宿の一つへ行ってみる。

バストイレ付きのプライベートルームを確認したところ、60ソルを提示された。すぐに50ソルに下げてくれたので、40ソルでお願いしたらOKだったので即決。部屋数も多く雰囲気は中級ホテル並みで、通されたダブルの部屋は2面に大きな窓がありとても風通しが良かった。カーテンや壁には多少の汚れがあったが及第点で、大きな液晶テレビまで付いていた。wifiの電波が部屋まで届かなかったのが唯一残念なところ。川の反対側では拾えたのに。


腰を落ち着ける場所を確保した後は、腹を満たしに村へ繰り出す。

村の中心には川が流れており、川沿いに遊歩道が整備されている様子は日本の温泉街に似ているとよく言われるようだ。確かにそんな感じだった。川のせせらぎが気持ちよく聞こえ、平和でどことなくノスタルジックな感じがして居心地がいい。

通りにはオープンテラスのレストランが並び、一部線路が通っている通りもある。

レストランは15ソルのコースメニューがどこの店でもポピュラーな感じだったが、結局値段重視でメルカドの安食堂に入る。セグンドのメインが一皿6ソル、スープ付きで8ソル。メニューはロモサルタードやアロスフエボなど、ローカルなもの。味もグッド。


腹を満たした後は、土産物のマーケットを散策した。インディオのおばちゃんが身につけているようなカラフルな織物やバッグが所狭しと並べられていた。


30分もあれば一周できてしまいそうなほどの小さな村だが、なかなか面白い場所だった。

マチュピチュ遺跡へ

翌日は朝5時過ぎに宿を出て、前日に購入しておいたマチュピチュ遺跡までのバスチケット(USD12、クレジットカードはマスターのみ使用可能?)を片手にバス乗り場へ向かうと、すでに長蛇の列。日の出鑑賞が出来る時期ではないのにも関わらず。改めてマチュピチュ人気の凄さを思い知った。

45分ほど待って7.8台目あたりにきたバスにようやく乗り込む。入場開始時刻の6時を15分ほど過ぎた頃にゲートに到着した。

入場料は値上がり傾向にあり、自分が購入した2017年10月当時でマチュピチュ遺跡+マチュピチュ山のチケットが200ソル。ペトラ遺跡並みに高くなっている。ちなみにマチュピチュ遺跡のみが確かに150ソルぐらいで、マチュピチュ遺跡到着ワイナピチュ山のセットが200ソル。

ワイナピチュにも登りたかったが、予約サイトで調べたところ2週間先まで埋まっていたので、代わりにマチュピチュ山に登ってみることにした。

なお、チケットは入場口では買えず、クスコのアルマス広場近くのエージェンシーかインターネットサイトで事前に購入しておく必要があるので要注意。


入場したあとは、まずは段を登って見晴らしの良い見張り小屋へ。天気は良好で、マチュピチュ遺跡の全容がくっきりと見えた。いかに断崖絶壁な場所に築かれているかがよく分かり、同時にこんな場所によく作ったなと建築の素人ながら思ってしまう。遺跡内部も非常に精緻に作り込まれていて、隙間なく積み上げられた石段や、水を無駄なく確保するための水路の整備など、高度な建築ノウハウを持っていたことがよく分かった。

もしインカ文明やマヤ文明がスペインに滅ぼされることなく今に生き延びて国家として存続していたら、どんな世界が広がっていたのだろうか。そんな好奇心をそそられるほど、かつてこの地で暮らした人々が持っていた知識や信仰は興味深いものだった。


マチュピチュ山への入場時間が朝7〜8時の間だったこともあり、1時間半で足早に遺跡内を見て回る。今度はガイドをつけてもっとじっくりと見て回りたいと思った。

そして、遺跡から見てワイナピチュの反対側に聳えるマチュピチュ山へ。標高は丁度3,000mを超えるくらいで、マチュピチュ遺跡からの高低差は600mぐらい。

ルートはほとんど整備された階段となっていて、鎖場や足場の悪い岩場などはないが、階段のステップが狭く急な箇所や、幅が狭い箇所があるので、足元の注意は十分に必要。基本的に断崖絶壁で落ちたら終わりなので。

休むことなく一気に登って約一時間で山頂に到着。山頂は四方が切れ落ちていて、見晴らしは最高。そこからマチュピチュを見下ろすと、遺跡がいかに急峻な山々に囲まれた場所にあるかがよく分かり、天空の都市と呼ばれるのも納得できる景観だった。

他にも、前日歩いてきたスタンドバイミートレイル(線路)がマチュピチュ遺跡のある山をぐるっと囲んでいる様子を見下ろせたり、周りの山腹に走るインカトレイルらしき線が見られたり、オススメできる絶景スポットだ。

マチュピチュ – クスコの帰路


マチュピチュ山の頂上が本日のゴール地点。ここからはひたすら山を下り、水力発電所からバスに乗ってクスコへ戻る。

個人的に下りは登りよりも足に負担がかかるし、消化試合感がしてあまり好きではない。淡々と石段を下って45分でマチュピチュ遺跡に到着。そこから一方通行の遺跡内を軽くさまよってゲートまで戻り、アグアスカリエンテスまで下っていく。

マチュピチュまでは蛇行した道、通称ハイラム・ビンガム・ロードが築かれており、バスはその道を何度も何度も切り返して登り下りする。その切り返しを突っ切るようにして、マチュピチュから麓の川沿いまでのトレイルが整備されている。マチュピチュ山のように基本石段だが、バスが通る道を何回も横切るので、こちらも勢い余って道路に飛び出さないよう注意。30分で下山完了し、後は平坦な未舗装路をアグアスカリエンテスの村まで30分歩いて到着。

時刻は11時を回った頃。ずっと下りっぱなしだったので足はガクガク。この後は水力発電所までの長い道のりが待っている。帰りのバス待ち合わせは14:30〜15:00なので、12:00過ぎにはアグアスカリエンテスを出発しておく必要がある。取り敢えずメルカドでステーキ6ソルを食べ栄養補給。肉は小さいし固くてイマイチだった。


その後は宿で預かってもらっていた荷物を引き取り小休止。12:10頃にスタンドパイミートレイルへ向かって出発。休んだおかげで平坦な道はなんとか歩ける感じに回復。

行き同じ道をまた二時間かけて歩き、水力発電所に到着。バス出発までの45分間ブヨと格闘し、今度は20箇所以上刺されてその後腫れと痒みに苦しむ羽目に。

21:15クスコにようやく到着。22:00クスコ発のバスにギリギリ間に合い、ボリビアの首都ラパスへ。

終わりに


マチュピチュ遺跡の様子は、これまでに何度も写真や映像などを通じて目にしてきたが、やはりありきたりかもしれないが生で見る立体感と空間感覚は迫力があり、まさしく絶景だった。

またマチュピチュは遺跡自体の魅力もさることながら、簡単にアクセスできない秘境感がマチュピチュを唯一無二のスポットにして、それが人々を惹きつける理由の一つだと感じた。

次に来るときは、クスコからマチュピチュまで続くインカ時代からの古の道を辿る3泊4日のインカトレイルにチャレンジしてみたい。

そしてワイナピチュからのマチュピチュ遺跡を拝みたい。

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