ユカタン半島の観光の目玉として、マヤ遺跡に並ぶのが神秘の泉セノーテ。透き通った水に光の筋が差し込む美しい景観が見られる。
過去に写真を見て、こんな場所があるのかと感動し、いつかは訪れてみたいと思っていた。
よくよく調べてみると、ユカタン半島には様々なセノーテが沢山存在しているようだ。ツアーやレンタバイク、レンタサイクルなどで色々回ってみたので、以下に紹介したいと思う。
セノーテとは
Wikipediaより抜粋して引用
セノーテ(西: cenote) はユカタン半島の低平な石灰岩地帯に見られる陥没穴に地下水が溜まった天然の井戸、泉のこと。泉の下層には大規模な鍾乳洞が水没していることが知られている。水面下では決して形成されることのない鍾乳洞が見られるのは、次のように説明されている。氷期の海水準低下時に形成された長大な地下川型洞窟系が後氷期の海面上昇にともない、内陸部では地下水位が上昇することによって洞窟系全体が水没した。このような洞窟の天井の一部が崩落して陥没ドリーネ(陥没穴)が生じた結果、セノーテができた。
要するに、水没した鍾乳洞の天井に穴が開いて出現した泉、ということか。
セノーテ紹介
プラヤデルカルメン〜トゥルム間
Dos Ojos
トゥルムの街に近い場所に位置するセノーテ。名前は二つの目を意味。ダイビング・シュノーケルともに可能でとてもポピュラーなスポット。
ダイビングではBat CaveとBarbie Lineという2つのルートがある。Bat Caveでは地形&鍾乳洞、Barbie Lineは光のカーテンが見られる。
自分はダイビングで訪れ、Bat Caveのみに潜った。中はあまり光が差し込まず暗いが、ライトで照らすと鍾乳洞の複雑な景観が現れたりし、またかなり狭い鍾乳洞のなかをくぐる場面もあったりして、結構スリルのある地底探検気分を味わえた。途中、名前にもなっているコウモリが住むドームが現れる。有名なグランセノーテよりも広いので、シュノーケルも良さげだと感じた。
アクセスは、プラヤデルカルメンから車で約一時間。トゥルムからだと恐らく20分程度。
The PIT
穴を意味する名前の通り、深い縦穴となっているセノーテ。ドスオホスとセットのダイビングツアーで訪問した。
入り口の泉は思いの他小さかったが、いざ潜ってみると巨大な縦穴が広がっていた。
弧を描くようにして、ゆっくりと地下深く潜っていくと、途中にフロックラインと呼ばれる海水と淡水の境目が現れる。セノーテは海とも繋がっており、深度が高くなると海水の層へと変化する形だ。
フロックラインに入ると、急に視界がぼやけた。ゴーグルに水でも入ったかと思ったが、そうではなくフロックラインの硫化層に入ったために起こった現象だ。硫化層とは、硫化物が淡水と海水の境界面に溜まり形成されている層のこと。不思議な現象もあるものだ。
地底に辿り着いたと思いきや、鍾乳洞はさらに奥深くまで沈み込み、真っ暗な深淵となっている。そして入り口の方へ目をやると、光の筋が真っ直ぐに深みへと射し込んでいるのが見える。
光の筋に照らされた景色以外、周りは真っ暗で、自分がどこにいるのかわからなくなりそうな不思議な感じがした。光のカーテンとはまた違った美しさだった。
このセノーテの内部の地底世界は壮大で、広がっていたのは自分の想像を超えた世界だった。潜っている間はまさに現実離れした時間が流れていたように感じた。地形鑑賞目的なら、ドスオホスよりもおすすめ。
場所はドスオホスセノーテに向かう脇道をさらに奥へ進んで5分ほど。
Cenote Jardin del Eden
光の射し込む様子が美しいことで有名なセノーテ。泉はダイビング用とシュノーケル用でゾーンが分けられている。
シュノーケルしたが、水の透明度は高く、水中の洞窟の穴に向かって光がとても綺麗に入り込んでいた。魚もたくさん。ダイビング用ゾーンはどんな感じなのか気になった。
アクセスは、トゥルムからレンタバイクで約45分。プラヤデルカルメンからの方が若干距離が近い。
入場料は100ペソ
Cenote Azul
エデンのすぐ隣にあるセノーテ。こちらも水の透明度はとても高く、水中浅くに沈む石灰石?が白く日光を反射して光ってるのが綺麗。水深は全体的に浅いので、シュノーケル&子供向けかも。ちなみにダイビングスポットは無さそうだった。混雑していたので、水中には入らなかった。
アクセスは、セノーテエデンの入り口から約50メートル。入場料 100ペソ。
Cenote Chikin Ha
エデンと並ぶ光のセノーテとして良い評判がある。セノーテの他にもジップライン等のアトラクションがあり、オールインクルーシブでの金額を提示された。セノーテのみのプランはないか聞いたがないとのこと。他のアトラクションには興味がなく、シュノーケルするにはさすがに高いので入場を断念。
アクセスは、トゥルムからレンタバイクで約45分。街道沿いのエデンの入り口とは200m程度。
入場料 350ペソ。
Cenote Tajima Ha
このセノーテも光系で人気。
中に入ろうとしたところ、入り口の兄ちゃんに大きいセノーテと小さいセノーテの2種類あり、大きい方はダイビングのみだからシュノーケルするなら他行った方がいいよと言われたので、入場中止。
ダイビングすると綺麗な光のカーテンが観れるとのことだったので、シュノーケルでも見てみたかった。
街道沿い、エデンやチキンハのゲートから約2キロの距離にゲート。入場料不明。
Casa Cenote
タジマハの入り口の兄ちゃんにオススメされて訪問したセノーテ。
マングローブが生い茂り、川のようになっていて一風変わった雰囲気。海水が流れ込む水路と繋がっており、水は淡水と海水が混じり合っている。水は泥のようなものがたくさん浮かんでおりあまり綺麗ではなかったが、結構大きな魚が泳いでいた。
また、マングローブ林をじっくり観察することもでき、他のセノーテとは違う景色が見られてそれなりに楽しめた。
ダイビングとシュノーケル共に可能で、ダイビングは初心者向けな感じ。
奥の方へいくとワニがいるけどフレンドリーだから危なくないよと係員が言っていたが、幸か不幸か出会わなかった。
トゥルムから約10キロほど。入場料 120ペソ。
コバ遺跡周辺のセノーテ
コバ遺跡は、トゥルムから車で一時間ほどに位置するマヤ遺跡。周辺には洞窟も多くあり、内部にはセノーテが広がっているものもある。3か所に訪問したので以下の通り紹介したい。
Cenote Choo Ha
Cenote Tankach Ha
Cenote Tankach Ha
洞窟系セノーテ3つ。
共通しているのは、3つとも地下にあるということ。地下への階段を下って行くと、地底にドーム型の空間と泉がどーんと現れる。自然光の差し込みはなく、照明の明かりのみなので結構暗いが、それが地底感を高めて雰囲気は満点。
チョーハのドームは立派な鍾乳石が無数に吊り下がっており見応えがあった。泉は小さかったので、シュノーケルはパス。
タンカチハには飛び込み台があり、遊ぶのに向いてる雰囲気。水もかなり青く透明で綺麗だったのでシュノーケルも良さそう。
マルトゥンハは3つのうち最も大きいドームを有し、3つのうち唯一シュノーケルをしたセノーテ。ライトアップが神秘的な雰囲気を演出し、光は絵の具を垂らしたように青く澄んだ泉に浮かんでいる。水面下を覗き込むと、ドームの鍾乳石の壁は水中で深く奥まで入り込んでいた。その奥は真っ暗。まさに深淵を覗き込む体験だった。
朝の10時前に訪れたが、3つとも他に観光客がおらず貸切状態だった。
アクセス:トゥルムからコバまで40キロちょっと、レンタバイクで約一時間。セノーテまではコバの街から5〜10分。入場料はセノーテ3つのジョイントチケット 165ペソ。訪問時間 9:50〜11:30
バヤトリド周辺
マヤ遺跡で有名なチェチェン・イツッアに近いバヤトリド周辺にもセノーテが点在している。観光ツアーでもルートに組み込まれやすいためか、整備はきれいになされていて、公園の赴きもある。
Cenote Zaci
バヤトリドの街のど真ん中に出現するセノーテ。ぽっかりと空いた穴に細い滝が幾筋か流れ込む開放的なセノーテで、雰囲気は抜群。水の透明度はそれほど高くないが、外からでも小さいナマズ的な魚が沢山泳いでいるのが見えた。こんなセノーテが街の中にあるとは信じられない。家の近くにこんなセノーテがあったら最高。
アクセスは、バヤトリド中心部の教会&公園から東へ3ブロック&北に1ブロック。
入場料30ペソ 。
訪問時間 12:40〜13:00
Cenote San Lorenzo Oxman
バヤトリドの街の外れにあるセノーテ。こちらも地面空いた穴のようなセノーテで天井はない。壁に沿ってたくさんのツタが垂れ下がっていてジャングル感は満載。欧米系の若者がロープにターザンのようにぶら下がって飛び込む遊びに興じていた。
ここではシュノーケルをしてみたが、水はそこそこ透明で、ナマズっぽい小魚の群れが泳いでいた。特に印象に残ったのは、水中にキラキラと射し込む光の美しさ。水深はかなり深い様子で、射し込んでくる光はくっきりとした筋の連なりとなり、ゆらゆらとカーテンのように揺れる。まるでオーロラのよう。本物は見たことはないけれど。
アクセス:バヤトリドの中心部から5キロほど。道は途中からガタガタの未舗装路。
入場料 70ペソ
訪問時間 13:20〜14:00
Cenotes X’kekén & Cenote Samula
隣接するこの2つのセノーテは、どちらも地下に埋まったドームにある泉。天井に空いた小さな穴から射し込んだ一筋の光が泉を照らす様子が見事。時間が遅くなり、ベストなタイミングを逃してしまったのが残念。
バヤトリド中心部から7.5キロほど。ジョイントチケット 125ペソ。訪問時間 14:20〜15:30
Cenote Selva Maya
街道からエクセケケンとサムラへの道へ折れてすぐのところにあるセノーテ。チェチェンイーツァのツアーに組み込まれており立ち寄った場所。
縦穴系セノーテで、上から流れ落ちる幾筋かの小さな滝がアクセントとなっている。ライフジャケット着用が必須。ジャンプ台あり。
バヤトリド中心部から6キロほど。入場料は不明。訪問時間 16:00〜17:00
トゥルム周辺
Gran Cenote
規模としては大きな部類に入るセノーテ。シュノーケルツアーが日本人に人気で、他のセノーテでは日本人をほぼ見なかったがここには沢山いた。人気なだけあって、セノーテ自体もかなり良かった。
泉は長い切れ目のように広がっていて、透明度もかなり高い。シュノーケルでもロープを辿って洞窟の結構奥の方まで入り込め、そこから振り返ると入り口付近に明るく光が射し込む様子が浮かび上がって幻想的。他のセノーテではダイビングしないと見られない様な光景だと思う。
カメも沢山泳いでいたりして、ユニークなセノーテ。
トゥルムから4キロほど。レンタサイクルで20分。訪問時間 9:30〜11:00
Cenote Car Wash (Actun Ha)
元々洗車場があったことから名付けられたセノーテ。外観は池の様だが、Google Mapの写真を見てみると、水中に生い茂る水草が美しい感じだ。到着時はちょうどスコールの時間に重なってしまい、雨が降っていた。
シュノーケルしたところ水はかなり濁っており、水中はほぼ見通せない状態だったので3分ほど使ってすぐに上がった。ダイビングの客も何組かいて、人気はある場所な感じだった。
大量の蚊が半端なく襲い掛かってくるので、虫除けスプレーを忘れるとたぶん大変です。
トゥルムから8キロ、レンタサイクルで40分。入場料 50ペソ。訪問時間11:30〜11:45
Cenote Zacil-Ha
カーウォッシュのすぐ隣にあるセノーテ。カーウォッシュはベンチとトイレ小屋という簡素な設備なのに対し、こちらはプールや食堂、土産屋などと充実。
肝心のセノーテはというと、サイズはかなり小さいが水は透明度が高く綺麗。飛び込み台が何箇所かある他、セノーテの上にジップラインが通されておりロープを滑りながら飛び込むアトラクションが人気を博していた。
ツアーのルートにもよく組み込まれているようで、ひっきりなしに団体客が入れ替わっていた。そんなこんなでなかなかに混雑が絶えない中、シュノーケルで突入していった。
人がどんどん飛び込んでくる騒がしい環境にもかかわらず、泉の中には無数の小魚が群れをなして泳いでおり、意外と見応えがあった。
セノーテカーウォッシュから200m。入場料 80ペソ。訪問時間 11:50〜12:30,
関連費用メモ
ダイビング(Dos Ojos & The Pit) 160ドル
レンタバイク 2日間 900ペソ
レンタサイクル 1日間 130ペソ