イスラエルで絶対外せない観光地 エルサレム・ベツレヘム・テルアビブ / Israel

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三大宗教の聖地 エルサレム


3大宗教、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地があるエルサレム旧市街。宗教のために生きる人々の存在を知り、宗教の意味について考えさせられる場所だ。元々は共通点も多く、お互いの存在を認め合っているこれらの宗教が、長い歴史の中で度々ぶつかり合ってきて、互いに複雑な感情をまとって現在まで時が流れてきている。お互いが近い関係だということが、その感情を一層デリケートなものにしているのかもしれない。日本のニュースでも、パレスチナとエルサレム間の紛争の様子が度々報道されている。そんな場所柄、さぞかし混沌とした雰囲気かと思いきや、一見上は人々はそれぞれの居住区の中で穏やかな暮らしを送っていた。

そんなエルサレムの神聖さを肌で感じられる、必ず訪れるべき場所を以下の通り紹介したいと思う。

エルサレムとは

エルサレムはもともとユダヤ人が入植していた地。紀元前には壮大なエルサレム神殿が建っていたが、バビロニアに侵略された際に破壊され、唯一破壊を免れたのが嘆きの壁と呼ばれる神殿の外壁部分だ。

その後いくつもの王朝の興亡の舞台となり、ACに入ってイエス・キリストが現れ、人々に救いを説き、囚われ、処刑された。キリストが十字架に架けられ歩いた道、ヴィアドロローサと、キリストの墓、聖墳墓教会として残されている。

そして、イスラムの統治下に置かれる時代が来る。エルサレム神殿の跡地に預言者ムハンマドが昇天する際に踏み台にしたとされる岩が残っており、イスラムの第三の聖地とされている。その岩があるのが、岩のドームと呼ばれる建物。これがエルサレムをそれぞれの宗教の聖地たらしめる歴史だ。

ヴィアドロローサと聖墳墓教会


キリストが刑を宣告され、十字架を背負い歩いた道がヴィアドロローサだ。ライオンの門付近から道は始まり、息絶えた地の聖墳墓教会まで続いている。道には14箇所の留があり、各シーンを思い描きながら少しずつ歩を進めていく。

各国から集まった巡礼者たちが十字架を担ぎ、祈りを捧げながら道を辿っていく姿を見て、ここが特別な場所であることを改めて感じた。

終点の聖墳墓教会には、イエス・キリストの墓がある。巡礼者たちの旅の終着点でもあり、地球上に唯一無二の特別な場所だ。


嘆きの壁


かつてユダ王国として栄えた時代の象徴、エルサレム神殿。唯一破壊を免れた外壁が嘆きの壁だ。

ユダヤ教徒たちは一心不乱に壁に向かって祈りを捧げている。中でも目につくのが、独特のヘアスタイルの頭にキッパと呼ばれる帽子をかぶり、真っ黒な長いコートを纏っている人々。

彼らは超正統派と呼ばれるユダヤ教徒で、仕事をもたずひたすら祈りの日々を送っている。祈りが日々の暮らしの柱となっている。信仰心がほぼ皆無な自分にとって、彼らがどんな気持ちで何を祈っているのかは想像もつかない。

岩のドーム


かつてエルサレム神殿があった神殿の丘と呼ばれる場所に建っているのが、イスラムの第三の聖地、岩のドームだ。預言者ムハンマドが昇天する際の足場となった岩がドーム内に残されているが、中に入れるのはイスラム教徒のみ。イスラム教徒以外が立ち入ることができるのは神殿の丘までだ。

ちなみに神殿の丘に入る入り口は、モロッコの門と呼ばれるゲートのみなので少しややこしい。神殿の丘に入ってみたが、イスラムの巡礼者はほとんどおらず他の2つの宗教の聖地に比べ閑散としていた。やはりイスラム教徒にとってイスラエルは中々入ることは難しいのだろう。

壁の向こう側 ベツレヘム

ベツレヘムは、キリストの生誕の地として有名な街だ。エルサレムからは10キロも離れていない距離にある。しかし、そこはパレスチナ自治区と呼ばれる区域。アラブ人が統治している地区だ。そして、エルサレムとの間は大きな分離壁によって隔てられている。壁の向こう側を覗きに行ってみた。

エルサレムからベツレヘムへ


移動は、ダマスカス門外のバスターミナルの21番乗り場から出ているバスでダイレクトにベツレヘムの中心部付近へ乗り入れることが出来た。6.8シュケルで約40分。直線距離は短いが、大きく迂回するルートを取るので案外時間がかかった。ちなみに、パレスチナの境界には検問所があり、自分はパスポートチェックはされなかったが、エルサレムへ帰る際にベツレヘムからのイスラムの乗客はバスを降ろされイスラエル兵のチェックを受けていた。

キリスト生誕教会


ベツレヘムを訪れる旅行者のほとんどは、このキリスト生誕教会を目指してやってくる。バス停から20分ほど歩いて到着。パレスチナというと危険なイメージだが、ベツレヘム周辺は割と安全で、外務省の安全情報でもレベル1で「十分注意してください」というレベル。自分自身は治安を判断する際は外務省の情報を参考にしているが、レベル1までなら、命に関わる事件に巻き込まれる危険性は低いと判断し、渡航可能とみなしている。

教会までの道のりも土産屋などの商店が多く並び、至って平和な観光地といった雰囲気だった。
エルサレムの聖墳墓教会と同じく、教会内の祭壇には巡礼者が長蛇の列を成していた。

パレスチナ分離壁


生誕教会から歩いて15分ほど北に向かうと、イスラエルもパレスチナを分断する壁が現れる。5メートルはあるかというコンクリートの壁の上には鉄のフェンスが設けられており、人力のみで越えることはほぼ不可能だ。そして壁を埋め尽くすのは無数の落書き。分断されているイスラエルという国の現状に対する、市井の人々のメッセージがユーモアや皮肉まじりのアートで表現されている。


トランプ大統領の絵。壁を大切にしている様子が描かれているのは、イスラエルを支援する方針を皮肉的に表現したものだろう。

バンクシーアート


バンクシー
というイギリスのアーティストをご存知だろうか。手掛ける作品は壁の落書きなのだが、その風刺さと落書きの場所がとてもユニークで、世界的に有名になった。落札直後のアートがシュレーダーで裁断されたり、日本国内でも似たような落書きが見つかったりと、度々巷を賑わしている。

そのバンクシーによるアートが実はベツレヘムにも何箇所かある。どれもが、戦争と平和を表現したものだ。何箇所か実際に回ってみた。タクシーをチャーターするのがポピュラーな手段だけど、相場が60シュケルで手持ちが不安だったので、節約することに決めて歩くことにした。正式に観光地化されているわけではないので、アートの場所は、事前に調べてから訪問する方がベター


まずは天使がハートを手のひらから溢すアート。生誕教会の東の道路沿いのなんの変哲も無い壁にある。結構注意して探さないと見落とすと思う。


防弾チョッキを着た鳩が、銃の照準を受けている絵。生誕教会の北の方角、商店の壁に描かれている。これは結構見つけやすかった。


有名な兵士をボディチェックする少女は、パレスチナの分離壁のすぐそばにあった。壁には土産屋が無理矢理な感じで張り付いていて、中に入らないと見ることができない。ちなみに写真を撮ろうとしたら5シュケル請求されたので撮るのをやめた。


風船の少女も分離壁に2個描かれていたが、現地人によるとどちらも偽物とのこと。分離壁には本物のバンクシーアートは無いらしい。

もう一つ有名なのが、花束を投げる兵士。天使の絵のある場所から更に東に行ったガソリンスタンドの壁に大きくペイントされているらしい。ちょっと距離があって、時間があまり無かったので断念した。

地中海に面する港町 テルアビブ

テルアビブは地中海に面するリゾート地。また、イスラエルの首都とされている街だけあって、都会で洗練されている雰囲気。

エルサレム〜テルアビブの移動


まずはトラムとバスを乗り継いでエルサレムからテルアビブへ。ダマスカス門の外のトラム乗り場からバスステーションがあるシティーセンターまでトラムで移動。そこからバスでテルアビブへ。480番バスで終点のSavidor Centorというステーションへ。そこからテルアビブ空港への列車へ乗り換えることができる。

6+16+13.5シュケル。(トラム+バス+電車)

テルアビブ散策


テルアビブの街を少し散策。駅にあったコインロッカーにザックを預け、駅から2キロほどの道のりを歩いて海岸へ。


海岸は綺麗に整備され、夕焼けに染まった空の下、多くの人々が海岸沿いのプロムナードを行き交っていた。ビーチではバレーボールをしたりエクササイズをしたり、僅かながらもサーフィンしている人もいた。


地中海交易の拠点となったヤッファ地区カラメルマーケットなどの見どころもあったが、すでに日が暮れてしまい、翌朝のフライトに備え空港へ向かうことにした。

その道すがら、小綺麗な住宅が並ぶ様子はどこか日本と似た風景に思えた。

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